第93回箱根駅伝 箱根駅伝は本当に高速化しているのか?
区間予想など様々なブログで書かれており、毎日それを読む日々です。私も区間予想などをしようと考えていたのですが、仕事の関係上、非常に難しく、区間エントリーを待つことにしました。29日まで少しずつ違った観点から箱根駅伝について書いていければなと思います。ということで今回は、「箱根駅伝優勝争いチーム以外は、まだまだ1km3分ペースが基本」ということを考えてみました。
12月10日に箱根駅伝のチームエントリーが行われました。
以下神奈川大学の大後監督のコメント
早12年間、シード権を取れておりません。予選会もベテランの域になってしまい、大変、不名誉だなと思っています。
なぜシード権の中でレースができないのかと毎年反省しますが、本当に端的に、スピード不足。流れに乗れないということだと思います。練習量もそうですが、やはりもっとスピードをつけて、1万メートルのチーム平均を上げていかないことには、客観的な裏づけとしてはダメだなと思いました。
神奈川大学の大後監督が、箱根駅伝のスピード化についてエントリーの記者発表の時に話していました。確かに近年、箱根駅伝が高速化しており、スピードがない大学はまったく歯が立たないイメージですが、果たしてそうなのでしょうか?
以下箱根駅伝のトータルタイムと1km平均
第92回大会
優勝 10時間53分25秒
青山学院大学 (1km平均3分00秒6)
10位 11時間15分21秒
帝京大学(1km平均3分06秒6)
第91回大会
優勝 10時間49分27秒
青山学院大学(1km平均2分59秒5)
10位 11時間11分15秒
大東文化大学(1km平均3分05秒5)
第90回大会
優勝 10時間52分51秒
東洋大学(1km平均3分00秒4)
10位 11時間14分43秒
大東文化大学(1km平均3分06秒5)
トータルで考えると結局、基本は1km3分ペースだと思います。5区と6区の特殊区間を考えると5区のほうが距離が長いため、プラスマイナスゼロにはならないかもしれませんが、上がっているのは優勝争いのラインだけであり、シード権争いに関してはあまり昔と変わっていないのではないかと思います。
往路はスピードが必要?
そんなことを言っても往路はスピード化が進んでいるではないか!!という意見が聞かれそうですが、実はこれも優勝争いをする大学以外では当てはまりません。高速化しているのは1区のみで他の区間であれば、1km3分ペースで押して行く力を持っている選手がいれば、十分に戦えるのです。
昨年の区間記録を参考
(1km3分ペースで各区間を走り切った場合)
1区 1時間03分54秒(区間17位相当)
2区 1時間09分18秒(区間9位相当)
3区 1時間04分12秒(区間6位相当)
4区 55分30秒(区間2位相当)
1区~4区までのトータルタイム
4時間12分54秒(総合7位相当)
コースのクセなどもありますが、スタートしてからゴールするまでで、トータル1km3分ペースで、走り切ることが出来れば1区以外では十分な戦いをすることが出来るのです。とはいえ、その3分ペースで走ることが難しいのかもしれませんが、この時期は5000m13分台、10000m28分台のスピードを追求するよりは、しっかりとトータル3分ペースで押し切れる力をつけたほうが駅伝には活きてくるのかもしれません。
ちなみに1区は大迫選手が前半から飛ばした90回大会を機に高速化が進んでおり、現在では1km平均2分55秒ペースで走れなければ、置いて行かれてしまいまいます。
復路はどうか?
復路は基本的に1km3分ペースで走れば区間賞争いです。3分03秒~3分06秒平均で走ることが出来れば、区間上位で走る事が出来ます。
まとめ
1区に1km平均2分55秒で20kmを走れるスピードランナーを配置。
往路は1人で1km3分ペースを目安に走れる選手を配置。
復路は1人で1km3分03秒~3分05秒ペースを目安に走れる選手を配置。
10000mの平均タイムやハーフマラソンの平均タイムが年々上がっていることは喜ばしいことですが、あくまで指標でしかありません。いくらタイムを伸ばしても1人で走る力がなければ駅伝では通用しないのかもしれません。
ちなみにこのブログでも何回か書いていますが、青山学院大学はマラソン練習と20kmを確実に走る練習をメインに行い、その流れで出場している記録会で、5000m13分台、10000m28分台を出しています。そこが青山学院大学の強さの秘訣だと思います。
もし、10000mのタイムを少しでも上げることが箱根駅伝に繋がると思い、メイン練習をスピード練習中心に行った大学があるのであれば、箱根駅伝では力を十分に発揮することが出来ずに終わる可能性があるのではないかと思います。(勝手な持論です)