双子の弟は大成するのか? オリンピック代表 村山紘太 設楽悠太
10000m、オリンピック代表の村山紘太選手(旭化成)と設楽悠太選手(HONDA)は双子ランナーで有名ですが、二人とも双子の弟のほうなのですよね。さらに言うと高校時代は2人ともお兄さんのほうが強かったイメージです。そして、二人とも大学に行ってから力をつけて、兄の力に近づいていき、そして実業団では、逆転しているイメージです。
ちなみに先日、10000mで27分台を出した市田孝選手(旭化成)は双子のお兄さんで、弟の市田宏選手(旭化成)より、高校時代から実力が上のイメージです。
また、2年前に順天堂大学を卒業した松村優樹選手(HONDA)、松村和樹選手(愛知製鋼)の双子の兄弟も力は兄のほうが上です。
さらに遡ると、双子最強ランナーと言われた宗兄弟も実力はほぼ一緒でしたが、勝負強さという観点から言えば、兄の茂さんのほうが、弟の猛さんよりも強かったイメージです。
改めて考えてみると双子である以上、潜在的能力は、ほぼ一緒のはずです。同じ環境で育ち、同じ練習をしていれば、記録もほぼ一緒になってもおかしくないはずです。(理論上、二卵性だったら違うかも)
しかし、そうならないのは、性格の違いが一番大きいかもしれませんが、先に生まれるか後に生まれるかの責任能力の差も大きいのかもしれません。(個人的な考え)
ここからは勝手なイメージですが、双子の兄弟の大半は、同じ月日に生まれているのにも関わらず、兄と弟に分けられます。そして兄のほうが、責任感が強い気がします。それは兄として育てられるからであって、同い年にも関わらず、自覚と責任が生まれるからだと思います。逆に弟は同い年にも関わらず、兄を頼り、どちらかというと自由に育っているように感じます。(家庭環境によっては兄、弟の区別をまったく付けずに育てるところもあると思いますが)
その結果どうなるのか?
自覚と責任能力の強い兄は弟に負けないように努力し、弟の先を行こうとする。弟は兄の背中を見ながらマイペースで進む。
そうなるといつの間にか兄と弟の間で何か、線引きのようなものが生まれるような気がします。(本当に勝手なイメージですが)
その結果、兄のほうが強い兄弟が多いような気がします。(長距離に関しては)しかし、今回、オリンピックに出場するのは、双子の弟のほうです。
なぜ、2人の弟は強くなったのでしょうか?
それは覚悟だと思います。村山紘太選手は大学を選ぶ際、こんな言葉を残しています「兄のまねをしているだけでは勝てない」これは兄の背中を追っているだけでは、自分は成長しないと感じたからだと思います。その結果、進学先を兄、謙太選手と別の大学を選びました。設楽悠太選手も高校、大学と兄、啓太選手と同じ道を辿って来ましたが、実業団からは違う道を選びました。これもまた、兄と一緒のままでは更に上に行けないと思ったからではないでしょうか?
今回書いたことは勝手な憶測です。当然、最初から弟のほうが強いパターンもあると思います。何が言いたいかというと、いつも一緒にいる2人が自分の強い意志で、別々の道を歩みだしたとき、本当の能力が開花されるときなのかもしれないということです。
とはいえ、村山兄弟、設楽兄弟ともに日本陸上界期待の星です。今回のオリンピックは双子で出場とはなりませんでしたが、4年後の東京オリンピックで、双子の兄弟が2組出場しているなんてことも夢ではないかもしれませんね。