第93回箱根駅伝 10000m28分台ランナーたちの結果はどうだった?
各大学の総合結果などについては様々なメディアやブログなどに取り上げられていますので、各大学の結果に関しては気が向いた時に書こうと思います。今回は10000mで28分台のランナーたちは箱根駅伝で活躍することが出来たのか?を考えてみたいと思います。
各大学の28分台ランナーの区間成績
青山学院大学
1区 梶谷瑠哉 区間4位
2区 一色恭志 区間3位
3区 秋山雄飛 区間賞
7区 田村和希 区間11位
8区 下田裕太 区間賞
9区 池田生成 区間2位
10区 安藤悠哉 区間4位
実に7名の28分台選手が走った青山学院大学。7区の田村選手こそ脱水症状になり、区間11位となっていますが、その他の選手は全員が区間5位以内という抜群の安定感!数字だけの28分台ランナーじゃないということを証明していると思います。これが青山学院大学の強さなのかなと思います。
東洋大学
1区 服部弾馬 区間賞
3区 口町 亮 区間3位
4区 桜岡 駿 区間4位
往路に3名の28分台ランナーが走りましたが、いずれも主要区間を区間4位以内で走っており、さすがと言えます。この3名はコンスタントに記録会でも結果を残していることから数字通りの強さがあった印象です。
早稲田大学
1区 武田凜太郎 区間3位
2区 永山博基 区間10位
3区 平 和真 区間2位
7区 井戸浩貴 区間3位
永山選手が区間10位と振るいませんでしたが、その他の選手たちは区間3位以内と安定した走りを見せてくれました。永山選手だけ上尾ハーフ⇒箱根駅伝の路線ではなく、八王子ロングディスタンス⇒箱根駅伝の流れでしたが。少し10000mで良い記録を出し過ぎたのかもしれません。
順天堂大学
2区 塩尻和也 区間5位
4区 栃木 渡 区間賞
9区 聞谷賢人 区間3位
花澤選手が出走していませんが、3名が走り、栃木選手の区間賞をはじめ、主要区間でしっかりと結果を残しています。塩尻選手と栃木選手は次年度、さらに楽しみです。
神奈川大学
1区 山藤篤司 区間3位
2区 鈴木健吾 区間賞
6区 鈴木祐希 区間4位
28分台の3名がしっかりと結果を残しています。特に1区と2区は今年の神奈川大学を尊重していますね!タイムの向上だけでなく、強さも身に付けてきた印象です。
中央学院大学
2区 高砂大地 区間15位
1年生でチーム唯一の28分台ランナーでしたが、不発に終わりました。出雲から箱根駅伝まで持たなかった感じです。2区とはいえ、チームで一番区間順位が悪い結果に。来季に期待したいです。
日本体育大学
1区 小松巧弥 区間13位
2区 小町昌矢 区間18位
3区 吉田亮壱 区間4位
4区 富安 央 区間10位
5区 辻野恭哉 区間9位
6区 秋山清仁 区間賞・区間新
7区 城越勇星 区間2位
8区 中川翔太 区間12位
往路は全員28分台。復路も6区から8区まで28分台ランナーを並べてきました。しかし、結果を見て見ると全員が良い結果だったとは言えませんでした。12月の日体大記録会で28分台を大量に記録していましたが、日体大の選手がペース走で出したタイムだったとのことで、力はあると思うのですが、駅伝では一人で走る力やペースの上げ下げなどがある為、タイム通りとはいかなかったような気がします。
法政大学
1区 坂東悠太 区間9位
チーム唯一の28分台ランナーでしたが、難しい展開だった1区を区間一桁で乗り切っています。この経験を次年度に繋げてもらいたいです。
駒澤大学
1区 西山雄介 区間6位
2区 工藤有生 区間6位
3区 下 史典 区間8位
4区 中谷圭佑 区間18位
5区 大塚祥平 区間賞
往路に28分台ランナーをすべて投入してきたのですが、故障上がりの4区中谷選手ブレーキが痛かったです。5区の大塚選手はさすがの区間賞ですが、区間賞争いをした、区間2位の森田選手、区間3位の細谷選手と比べると走力はかなり上だったと思うので、短縮された5区は改めて適正の有無が走力よりも重要かもしれないと考えさせられました。
また、上位大学と比べると28分台ランナーの活躍が弱かったように感じます。
東海大学
1区 鬼塚翔太 区間2位
2区 關 颯人 区間13位
4区 松尾淳之介区間12位
7区 石橋安孝 区間賞
9区 川端千都 区間5位
1区の鬼塚選手は頑張りましたが、その他は下級生と上級生で結果が分かれた感じがします。1年生も距離への適性があるかと思いましたが、トラックレースとは違う単独走やペースの上げ下げのある20kmはまだ厳しかったのかもしれません。
創価大学
1区 大山憲明 区間17位
2区 ムイル 区間4位
4区 セルナルド 区間5位
大山選手以外はしっかりと結果を残してきました。大山選手はどうしてもトラックランナーのイメージが払拭できませんね。今年はチームのエースとなりますから、セルナルド選手のような安定した活躍に期待したいです。
ムイル選手とセルナルド選手はさすがの一言です。
大東文化大学
1区 前田将太 区間12位
距離が苦手という前田選手ですが、区間12位は上出来だったと思います。トラック優勢の選手ですが、箱根駅伝を経験したことによって、この先どう距離に対応していくか楽しみです。
拓殖大学
2区 デレセ 区間2位
デレセ選手は強くなりましたね。もともとの馬力が違うので、日本の生活環境に慣れてきた証拠だと思います。来季は恐ろしい存在になるかも。
國學院大學
2区 蜂須賀源 区間16位
最後まで不完全燃焼という感じでした。大学2年生の時の輝きを実業団に入ってから取り戻して欲しいです。
山梨学院大学
2区 ニャイロ 区間9位
4区 上村純也 区間16位
5区 上田健太 区間7位
インフルエンザの影響などでチームはガタガタだったようなので、今回の結果の判断は難しいですね。
明治大学
1区 末次慶太 区間18位
5区 藪下響大 区間15位
往路のスターターとアンカーが揃って不発でした。横手選手の世代が抜けてからタイム通りの力を出せる選手が減ってしまったような気がします。
日本大学
1区 石川颯真 区間16位
2区 ワンブィ 区間7位
日本インカレワンツーコンビで、2区終了時点でトップもありうるかと思いましたが、1区が不発。安定感のある石川選手でもまさかがあると感じました。
国士舘大学
1区 石井秀昴 区間19位
2区 住吉秀昭 区間20位
28分台コンビがスタートから振るわず、エース2人がダメだとチームも勢いに乗れません。記録挑戦会の後に12月の10000mにも出場していましたが、20kmよりもトラック中心になってしまったのかなと思います。
以上が(抜けがあるかも)10000m28分台ランナーの区間成績でした。10000m28分台というのは大学生にとって、一つのステータスであり、目標だと思いますが、どういう経緯でそのタイムを出したのかは非常に重要であると感じました。
以前、青山学院大学は20kmをしっかりと走れる練習を積み、その流れで出ている記録会で28分台を出している。というような記事を書いたのですが、今回の青山学院大学の箱根駅伝3連覇を見ていると10000mの記録は箱根駅伝制覇への延長線上にあったのだなと改めて感じました。
記録も大切ですが、どこに照準を合わせるかが最も大切であると実感する箱根駅伝でした。