慶応義塾大学の『慶応箱根駅伝プロジェクト』は成功するのか!?
今年から保科光作コーチが就任して、本格的に強化を開始することを決まった慶応義塾大学。『慶応箱根駅伝プロジェクト』と題して名門復活を目指すようです。では、一体どのようなプロジェクトとなるのでしょうか?
詳しくはこちらの「慶応箱根プロジェクト」をご覧になると細かいところまでわかると思います。↓↓↓
それを踏まえて感じたことを書いていきたいと思います。
主に報知新聞の記事に関して自分の持論になります。
【スカウトについて】
有力高校生ランナーのスカウトに関しては新たなスポーツ推薦制度を設けない。とのことです。これは有力ランナーに声をかけないということではなく、声をかけて、慶応義塾大学の受験を促すということになるようです。つまりは良い選手を見つけても学力が伴わなければ、慶応義塾大学に入ることが出来ないということになります。
個人的な見解
スカウトは困難を極めそうです。当然、スカウトの対象は学力が高い選手が中心となります。さらには合格が約束されておらず、免除等もないとなると大学を選択するときにリスクが生じます。
「慶応義塾大学に入りたいけど学力が足りない。他の大学から勧誘を受けている。多少の免除がある。」こういう状況になった時に学生がどういう選択をするのかというと、合格が確実視されていて、免除があるところになりそうな気がします。必死に勉強して慶大を目指すという選択肢は少し難しいかなと思います。
しかし、悪い面だけではなく、慶大に行きたいという強い意志を持った選手が集まりやすくなることも事実です。即効性を求めずにじっくりと強化していくのであれば、正攻法のやり方なのかもしれません。あとは箱根駅伝に出場している大学に行きたいという高校生は非常に多いので、そこをどう説得していくかという形になると思います。
理想としては東工大の松井選手や東大の近藤選手のような選手が集まってくれると箱根駅伝は現実味をおびてくると思います。
ちなみに慶応義塾大学に合格するには、どんなに低くとも偏差値65以上は欲しいところです。
【育成について】
慶応義塾大学は大学のブランド力を利用して有力高校生を集める強化策を否定しているようで、選手育成に力を入れるようです。その一環として、新たな指導スタッフとして保科コーチを就任させたそうです。日体大で4年間、主力選手として活躍し、2012年~2015年には日体大のコーチを務め、苦しい経験から優勝まで箱根路の厳しさを知り尽くしているとのことです。
以下保科コーチのコメント
「予選会を突破するまで5年~10年かかるでしょう。しかし、どうしても慶大で走りたいという気持ちがある選手が集まるはずですので、将来、必ず強くなります」
個人的な見解
育成に関しては正直、やってみないとわからないところが多いと思います。大学のブランド力を利用しての有力高校生を集める強化策を否定し、選手育成に力を入れるとありましたが、実際のところはどこの大学も選手育成には力を入れています。選手の育成に力を入れながら、なおかつ有力な人材を取りに行くという形を取っているだけであり、育成を疎かにしているわけではありません。それでも追いつかないのが今の大学長距離界なのではないかなと思います。
また、保科コーチの力量はわかりませんが、日体大で指導していたときの選手と現在の慶大の在学生とでは、だいぶ力の開きが大きいと思います。今までのコーチ経験がすべて活かせるというわけではなく、幅を持った指導法の確立が求められそうです。
他にも「ランニングデザイン・ラボ」との連携などありますが、これに関しては非常に良い強化策だなと思ったので特に個人的な見解はありません。
プロジェクトを組んでも必ず成功するとは限りません。現在は古豪筑波大学も「箱根駅伝復活プロジェクト」と題して強化を進めています。少しずつ良い選手が入るようになり、トラック種目では結果を出し始めています。しかし、20kmという距離に関してはまだ対応しきれておらず、残念ながら今のところ箱根駅伝出場は果たせていません。
箱根駅伝という場所を目指すのは本当に難しいことだと思います。慶大や筑波のプロジェクトが成功するのかどうか一人の陸上ファンとして見守り続けたいと思います。