桐生祥秀選手の苦悩。なぜ日本選手権で4位になってしまったのか?一人背負い続けた9秒台の壁。
日本選手権が終わりましたが、100mでは桐生選手がまさかの4位と世界選手権の代表を逃してしまいました。リレーでこそメンバー選出されましたが、一体何が不調の要因だったんでしょうか?
個人的に考えて見ました。
9秒台の重圧
まず、これは一番の要因だと思います。高校生で10秒01で走ってから桐生フィーバーが起きました。いつ9秒台が出るのかとメディアは騒ぎ立て、世間もずっと注目してきました。桐生選手もその期待に応えようと必死で頑張っていたように感じます。他の選手も9秒台が出る可能性が出て来て、短距離界のレベルは上がりましたが、そのきっかけを作ったのは間違いなく桐生選手だと思います。
伸び悩み
100mの平均タイムのアベレージはどんどん上がり、安定感が非常に増してきました。経験によるところも多いと思いますが、大学4年生にして、完成された雰囲気を出しています。一方で自己記録は10秒01から伸び悩み。高校生のときの勢いから行くと、9秒台がいつ出るのかと期待されていましたが、少し伸び悩んでいる印象です。
高校生で10秒01を出したときは追風0.9m
大学生で10秒01を出したときは追風1.8m
とこの記録を見ても高校時代のときのほうが勢いがあった気がします。日本人選手で初めての9秒台を狙うあまり、安定感を求めすぎたのかもしれません。
先を見据えすぎた
本人も語っていましたが、とりあえず日本選手権で3位以内に入り、世界選手権の出場権を獲得してから世界選手権に向けてしっかりと練習を積もうと思っていたようです。しかし、現実的にはそう甘くはありませんでした。先を見据えるあまり、ベストコンディションに気持ちも身体も持っていくことができなかったのかもしれません。
関西学院大学の多田選手は、はっきりと優勝を狙っていると語っていましたが、頂点を狙う選手と3位以内を狙うのとでは、やはり気持ちの差が出ると思います。
新戦力の台頭
山縣選手が故障明けで、日本選手権が始まる前は、桐生選手とケンブリッジ飛鳥選手の2名の3位以内は堅いかなと思っていたのですが、関西学院大学の多田選手が一気に記録を短縮してライバルとなり、サニブラウン選手も日本選手権で一気に覚醒し、優勝候補となりました。3位以内に入れればいいかなと考えていた桐生選手にとっては、この2人の台頭は焦りに繋がったような気がします。
以上が私が個人的に考える桐生選手が4位になった要因です。
桐生選手は非常能力の高い選手だとは思いますが、様々な期待などが重圧となり、高校時代のときのような気持ちで陸上競技に打ち込めていない気がします。期待に応えるべく頑張っていたような。
しかし、今回負けたことで高校時代のときのような野生的で爆発力のある桐生選手が戻ってくるような気がします。今まで、良くも悪くもまとめてきましたから世界選手権を逃したことで、ようやく色々と一歩踏み出せるのかなと思います。(安定しているときはトレーニングなどもなかなか新たなものにチャレンジしづらいですからね)
とにかく、ここからの桐生選手が楽しみです!!