私の忘れられない箱根駅伝を沸かせたヒーロー! 日本選手権10000m
昨日、日本選手権について観戦記をあげたが、私には日本選手権といえば忘れられない レースがある。それは第92回日本陸上競技選手権の10000mである。
なぜ、忘れられないかというと、当時、中央学院大学に在籍中だった木原真佐人選手が衝撃的な走りを見せたからである。
今年は参加標準記録を持っている大迫選手が勝つことを優先して終始余裕を持って走っていたのに対し、その当時の木原選手は標準記録を破っていなかったため、記録の突破と優勝を目指して積極的なレースを見せたのだ!そのときのラップは以下の通りである。
1000m 2分43秒4
2000m 5分29秒2
3000m 8分18秒3
4000m 11分08秒6
5000m 13分59秒8
6000m 16分49秒5
7000m 19分40秒2
8000m 22分39秒9。
※ここまで木原選手が一人で引っ張る
9000m 25分12秒1
10000m 27分51秒27(優勝松宮選手)
何とスタートから8000m過ぎまで木原選手が1人で28分を切るペースで実業団選手に先頭を譲らずに走っている。残り1400mぐらいから実業団選手に先頭を譲り、5位でのフィニッシュとなってしまい、残念ながらオリンピックの出場は叶わなかったが、本気でオリンピックに出てやろうという気持ちと、日本選手権という大舞台で出した28分06秒48のタイムは学生として立派であった。
しかも1週間前に札幌国際ハーフマラソンを走っていることを考えると驚異的である。 (札幌国際ハーフでは10kを28分台で通過する積極的な走りで日本人トップ。世界ハーフマラソン出場を決めている。)
また、その時優勝した松宮選手(コニカミノルタ)の27分51秒27は92回~100回大会までの現在で、唯一28分を切っている優勝タイムである。
今の大学生、実業団選手は速くはなっているが、勝負レースでの弱さが目立ってきているように感じる。92回大会のように勝負レースでベストパフォーマンスを出すことが出来るような選手が出てこなければ世界からまた遅れをとっていってしまうのではないだろうか?そういう意味でも新たな試みで速さと強さの両方を兼ね備えつつある、大迫選手には期待せずにはいられない。
ちなみに木原選手は現在、カネボウから移籍してSGH(旧佐川急便)にて再起を目指している。
今年30歳。まだまだ競技者として一線で戦えると思うので復活に期待したい!!
※ホクレン網走にエントリー