箱根駅伝の4区、5区の距離変更で何が変わるのか?
来年度の箱根駅伝から第82回大会から続いてきた4区と5区の距離が変更になります。
4区【18.5km ⇒ 20.9km】
5区【23.2km ⇒ 20.8km】
関東学連としての距離変更の見解としては以下の通り
①第82回大会以降区間距離を延長した第5区の選手に対する生理学的負担が大きく、走行後半に低体温症や低血糖症の症状に陥る例が多発発生していること。また、総合成 績に対する第5区の貢献度が大きすぎることに関する検討結果
②第82回大会以降第4区の距離を短くしたことで、マラソンに順応できる選手の芽を摘み取っている懸念の検討結果
とのことです。
私個人としては、距離変更は大賛成です。確かに第82回大会以降5区を制する大学が箱根駅伝を制するなど言われたりするなど、5区に対する比重が大きすぎました。
92回 11分03秒
91回 09分17秒
90回 08分19秒
89回 16分20秒
88回 30分10秒
結果として区間1位と区間20位でここまで差が開く区間はありません。山登りという過酷な環境下の中のレースとなる為、ひとたび体調不良などを起こしてしまうと、快調に走っている選手と大差がついてしまうのです。92回、89回、88回大会は1区間で繰り上げスタートの憂き目にあってしまうのです。
「山の神」という言葉も生まれ、箱根駅伝を盛り上げることには、一役買ったかもしれませんが、選手の安全面や後半のレースを面白くする意味では、距離変更は正しい判断かなと思います。
では、距離を変更することによって、何が大きく変わるのでしょうか?
①往路のレースがより激しくなる。
82回大会で距離が延長されてから10年。箱根駅伝のレース展開は大きく変わってきました。まず、1区のスローペースの展開が少なくなりました。3区も81回大会以前は、新人区間と呼ばれ、1年生や初めて箱根駅伝を走る選手が起用されていましたが、今では準エース区間となりました。そして81回大会以前まで、準エース区間と呼ばれている4区が復活するわけですから、往路は1区~4区までエース級を持ってくることが出来なければ、出遅れてしまう可能性が高いのです。5区に関しては、繋ぎの5区にするのか攻めの5区にするのかは今年から距離が戻るので、各大学がどう出てくるのか判断が難しいですが、往路は各大学のエース級が全区間揃い、よりスリリングなレース展開になることが予想されます。
②復路の重要性が増す。
82回~92回大会までは往路で大量の貯金を作り、そのまま逃げ切ることが、優勝へのオーソドックスな戦法になっていましたが、5区の距離が短くなることにより、以前よりも大差がつきにくくなることで、復路の重要性が増すのではないかと思います。
81回大会以前のように駒澤大学や順天堂大学のような、復路での鮮やかな逆転劇や、今まで以上にスリリングなシード権争いなどが見られるかもしれません。
昨年度以上に復路の重要性が増すことは間違いないと思います。
以上のことが予想されると勝手に考えてみました。
とにかく1区~4区は各大学のエース級の選手たちが集まり、ガチンコで勝負する姿が見てみたいですね!
4区の藤田敦史選手(現駒澤大学コーチ)の伝説の区間記録へのチャレンジも楽しみです!(参考記録扱いですが)