東海大の舘澤、中大の舟津の1500m快走! 長距離種目と中距離種目に垣根はない?
3月に行われたスタンフォード招待2018において、東海大学の舘澤選手が3分41秒82、中央大学の舟津選手が3分42秒66のシーズン初めにしては素晴らしい好タイムで走りました。これを受けて、中距離専門で活動している選手もいますが、長距離~中距離(1500mまで)に関して、垣根はないのではないか?ということに関して少し書いてみました。
まず下記の過去10回の日本選手権の優勝者を見てもらいたい。
101回 3分49秒73 舘澤亨次(東海大学)※箱根出走
100回 3分46秒66 戸田雅稀(日清食品)※箱根出走
99回 3分43秒47 新井七海(東海大学)
98回 3分43秒77 田中佳佑(富士通)※箱根出走
97回 4分02秒32 秋元優紀(山陽特殊製鋼)
96回 3分45秒49 田中佳佑(富士通)※箱根出走
95回 3分48秒59 井野洋(富士通)※箱根出走
94回 3分45秒76 村上康則(富士通)※箱根出走
92回 3分49秒96 小林史和(NYN)※箱根出走
※小林選手(NYN)は日本選手権を6回勝っています。
山陽特殊製鋼の秋元選手を除き、全員が関東の大学で箱根駅伝を目指したメンバーであることがわかります。つまりは専門的に年間を通して、1500mにすべてを捧げてきた選手ではないということになります・
シーズンで前期は1500mをメインに考えてトレーニングしてきた選手も当然いるとは思いますが、年間を通して中距離重視のトレーニングを積んでいない選手の方が結果を残す傾向にあるのではないでしょうか?
今回、好記録で走った舘澤選手、舟津選手も1月2日、3日はそれぞれ20kmを超える箱根駅伝に出走しています。
これは素人目線ですが、距離を踏むことでスピードは失われないし、むしろ土台が出来て、スピード練習にスムーズに移るという発想も出来るような気がします。(あくまで素人考え)
前期はスピード練習を重視、後期は20kmを走れるようにトレーニングを行えとは言いませんが、積極的に5000m~10000mを走れるくらいのトレーニングを積む方が中距離(1500m)に繋がるのかもしれません。
なぜ疑問に思ったか?
やはり、箱根駅伝で活躍する選手たちが1500mに出場して、好記録を出したり、勝負レースで勝ってしまうところを見たところから長距離、中距離の垣根はないのではないか?むしろ長距離から1500mに移行して行く方が有効なのではないかと感じたからです。ただし、800mは別物であるような気がします。
小林史和選手の例
小林選手は拓殖大学のOBで大学時代は箱根駅伝に4年連続で出場しています。その当時、1500mなどは特に行っていません。実業団でNTNに入社してから1500mを本格的に始め、2年目で日本選手権を優勝するまでに競技力をあげています。その後、さらに競技力を上げて、1500mの日本記録を更新するまでに至っています。こういう選手もいることから専門種目という捉え方は速い段階で決めつけなくてもいいのかもしれません。
個人的考え
やはり、中距離~長距離の垣根はあまりないように感じます。中距離をメインにやっている選手にもシーズン以外は長距離種目のトレーニングやレースにチャレンジしてもらいたいし、長距離をメインにやっている選手にも積極的に中距離種目にチャレンジしてもらいたい。そうすることで可能性がもっと広まるのではないかなと思います。
中距離向きだと思っていた選手が実は長い距離に適性があったり、長い距離が得意だと思っていた選手が中距離に向いていたりとか…
そういった意味で言うと今の東海大学はマラソン、駅伝、長距離、中距離とチャレンジさせており、非常に面白いカラーのチームだと言えると思います。
余談
市立船橋高校時代に800mで高校記録を打ち立てた前田恋弥選手は現在、明治大学で1500m、5000mにチャレンジしています。800mでの上限が見えてきたとのことで、高校記録を樹立したに800mを主戦場とせずに積極的に距離を伸ばそうとしています。800mで養ったスピードを武器に距離を伸ばして再びトップレベルで戦う姿を期待しています。
ということで言いたい放題書いてきましたが、簡単に言うと日本国内レベルであれば、1500m~20kmまでは同じ土俵で戦うことが出来るのではないかなと思っています。